[1]野球における股関節と下半身の主な筋肉の働き | [2]股関節と下半身のパフォーマンス&チューブトレ | [3]股関節と下半身のPNF基本パターン | [4]PNFトレーニングの注意点 |
下半身(腰の安定)を強化するトレーニングはいろいろありますが、パフォーマンストレーニングから得られるスクワットを、フロント、サイドのトウアウト、トウインで行う方法を紹介しましょう。すべてペアで行い、ひとりがヒザを伸展しようとする方向に、腰か肩に抵抗をかけます。
(写真1) ノーマル
肩幅より少し広めにつま先を前に向け、屈伸する。ヒザ屈曲90度を超えない。
(写真2) フロント・トウアウト
つま先を外に向け、ヒザ屈伸する。
(写真3) フロント・トウイン
歩幅を広げ、つま先を内に向けてヒザ屈曲する。
(写真4) サイド・トウアウト
サイドへ大きく踏み込み、つま先を45度外へ向け、屈伸する。
(写真5) サイド・トウイン
写真4と同じ歩幅でつま先を内に入れ、屈伸する。
いずれも一定のヒザ屈曲角度でアイソメトリックで10秒ほどキープしたり、大きな押す力に対して繰り返し、5、6回押し返します。(スピードをつけて)。そのほかに、クロスウォークやブロックステップなどのトレーニングでも、股関節周囲の筋肉を強くすることができます。
写真6~11では、チューブを使ってそれぞれの筋群を鍛える方法を示しました。
(写真6) 腸腰筋、大腿直筋
つま先正面にして、大腿を真っすぐ引き上げる。
(写真7) 大殿筋、ハムストリングス
つま先を正面にして足を真っすぐ後ろへ引く(伸展)。
(写真8) A・中殿筋
つま先を正面にして、外転方向へ動かす。
(写真8) B・外旋筋
つま先を内反させ、股関節外旋方向へヒザを伸ばしたまま動かす。(ねじれ)
(写真9) 内転筋群
つま先を正面にして、内転方向へチューブの抵抗を感じながら動かす。
(写真10) A・外旋筋
ヒザを屈曲し、大腿にチューブの抵抗を感じながら股関節外旋をする(ねじれ)。
(写真10) B・縫工筋
外旋から、股関節屈曲の方向へ引き上げていく(股関節、ヒザの安定性)。
(写真11) 内旋筋
ヒザ屈曲で大腿に抵抗をかけたまま、ヒザを内側に内旋しながら動かす。
抵抗(チューブの太さ、長さ)の大きさによって連続回数を考えます。一般的に10回を目安として1セットしてレスト(休み)をとり、3~5セット行います。
これは、股関節周囲筋が体重を支え、動きの始動となる筋肉群でありながら、持久力がかなり求められるからです。特に、中殿筋(外転方向に働く筋肉)、大腿筋膜張筋(内旋方向)という骨盤と大腿骨を結ぶ筋肉は、骨盤の傾きを防止したり、片方の足で体重を支えることの多い野球のプレーにとって、横の動きを力強く安定させるので、さらに技術を高めるためにも強化が必要な部位です。
そういった意味で、この筋肉を養う外転、外旋(内旋)方向のトレーニングは、ふだんから必須のものとして取り組んでほしいと思います。