[1]「野球ヒジ」と投球フォーム | [2]コントロールを高めるヒジと手指のコンディショニング | [3]球種ごとのヒジ、手首、手指のPNF |
投球という動作は、しっかりとした下半身と身体のバランスが十分に保たれた上ではじめて、フィニッシュであるボールを離す手指に意識を持つことができます。その感覚をしっかりもつことができれば、直球でも変化球でも、自分が投げたいと思うようなボールを投げることができるのです。特にヒジから手首、指につながる筋肉は、投球でのコントロールや球威、変化球のキレに大きく関わるため、それらの筋群へのコンディショニングは大変重要なポイントとなります。
投球に関わるヒジ、手指の動きに必要なコンディショニングのポイントは、1)ヒジ外反によって起りやすい外側部の凝りに対するストレッチと、柔軟性を高め、内側筋とのバランスを図る、2)回内、回外に働く筋肉の持久力アップとストレッチ性を高める、3)上腕三頭筋をはじめとして、ヒジ伸展に関わる筋肉の強化とその拮抗筋である上腕二頭筋のストレッチ性とパワーを高める、4)手、指の掌屈、背屈に関わる筋群の強化と柔軟性を養う、などを目的としてトレーニングを行っていきます。試合期に入っているピッチャーは、投球数が増えていくため、疲労も早く蓄積しやすいので、投球後のアイシングとストレッチ、PNFトレーニングを行い、張力の回復を図ることが必要です。それによって翌日の肩、ヒジ、手指が軽くなり、指にまで神経が集中でき、コントロールしやすい状態をキープすることができます。
投球によって、疲労が蓄積されているにもかかわらず、そのまま連投していけば、手指の伸展力が失われ、手指の掌屈、背屈がうまく起りにくくなってしまうのです。また、前腕背部に張りがあると、ボールを押し出し指に引っ掛ける微細な動きが難しくなり、コントロール不良に陥る結果となってしまいます。指先端部の感覚は、投球には重要な要素であると言えます。