[1]肩のねじれPNFパターン | [2]肩外転90度保持での外旋と内旋のPNF | [3]肩のPNFとゼロポジション |
[4]投球腕をつくるPNFトレーニング | [5]投球フォームのトレーニング |
さて今回は、投球肩をつくる上で重要な、ねじれに関わる筋群のPNFトレーニングと、投球動作につながる投球腕のつくり方、より実際に則した投球フォームのPNFなど、私どもで取り組んでいるトレーニング内容の一部を紹介します。
これらのトレーニングは、肩を痛めたあとのコンディショニングや体育リハビリテーションの領域に達した選手(中高生からプロ選手まで)に対して実践し、リカバリーの期間がたいへん短く、再発予防に効果があり、球速が増したり、コントロールがよくなるなど、選手の能力や状態によっても違いがありますが、平均していい結果が得られています。
肩のPNFで最も難しいのが、ねじれを伴うPNFパターンです。対角ら旋パターンは神経の伝達系に大きな効果が得られるため、ねじれを伴う対角ら旋パターンは投球時の肩の動きに関わる筋群に対して、動きやすさ、力強さを誘発するのに効果が高いと思われます。前回の基本トレーニングのあとに、以下のねじれのPNFを行ってください。このテクニックは、肩の炎症や痛み(急性期)がない選手を対象とします。
1) コントラクトリラックス
右腕を肩の前方・屈曲-外転-外旋肢位(手首は背屈)。
肩の屈曲-外転-外旋より、対角方向である左側に伸展-内転-内旋させる(手首は掌屈)。
一方向の際はこの動きを繰り返す(写真1~4)
2) スローリバース
1)の動きから反対方向へ、屈曲-外転-外旋へ連動して動かしていく。
手首は背屈-掌屈-背屈でフィニッシュを迎える(写真5~8)
この二つの動きの組み合わせによって、肩周囲や肩甲胸郭の動きに関わる筋群に、より大きな刺激を与えることができるため、肩がより動きやすくなります。