[1]肩のねじれPNFパターン | [2]肩外転90度保持での外旋と内旋のPNF | [3]肩のPNFとゼロポジション |
[4]投球腕をつくるPNFトレーニング | [5]投球フォームのトレーニング |
肩の回旋で難しいのが、肩外転90度保持での外旋と内旋のPNFです。この角度でインナー筋とアウター筋の働きが投球時では重要なため、この角度での柔軟性と筋持久力を高めるPNFの手技が、肩を強くしていくためには大切です。トレーニング前には必ず筋肉の疲労度(可動域)をチェックし、そのあとにPNFトレーニングを適用していきます。
選手の肩を外転90度で手の指を前方へ向かせ、その外転90度を保持しながら内外旋していきます(写真9~11)。
介助者はヒジを固定し、肩の回旋が行われているかをチェックします。この動きは肩の周囲の筋肉が硬くなったり、肩周囲の組織に硬さがあると関節での円滑な動きが生まれず、外筋で動かそうとする代償運動が出るため、肩すくめ状態で回旋という動きをしようとしてしまいます。これは、十分に注意する必要があります(写真12)。
また、内旋位からの外旋へのPNFもヒジを90度保持させ、上方に引き上げる動きでねじれをつくり、その方向に軽い抵抗をかけていきます。
(写真13)。
可動域全域で抵抗をかけるコントラクトと、非常に動かしにくくなっている(硬くなった)角度に対してホールド(アイソメトリック)させ、血行を高めたあとに反対方向へゆっくり動かしストレッチを行います。
もう一つのパターンは、相反抑制作用を使う方法です。PNFテクニックの負荷は動かしやすい方向へホールドさせ、次に硬い方向へリラックスさせながら動かしていきます。これは拮抗筋への神経筋のリラックスを図り、よりストレッチ性を高める効果があるテクニックです。このテクニックは、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋などの腱板への刺激や筋疲労を和らげるのにも効果があるため、テクニック後の選手は肩を回しやすく感じることが多いようです。