[1]肩のねじれPNFパターン | [2]肩外転90度保持での外旋と内旋のPNF | [3]肩のPNFとゼロポジション |
[4]投球腕をつくるPNFトレーニング | [5]投球フォームのトレーニング |
投球腕をつくるPNFトレーニングは、実際の投球時のイメージをつくるのにも効果的です。特に、投球時の下肢や上体、肩、ヒジの使い方はスピードや制球力に関係するだけでなく、肩、ヒジをスポーツ障害から予防するためにも重要となります。
したがって、しっかりとつながりを持たせ、選手に肩甲骨と肩、ヒジ、指の使い方のタイミングを把握させながら行うことが大切です。
1) 座位で投球するイメージでテークバックに入る。脚は投球のイメージで広げておく(写真15)。
2) テークバックからコッキング期での胸の張りをしっかりとつくる。このときに両方の肩甲骨が内転方向に入り、胸が大きく張れるようにする(写真16)。
3) 体のねじりが始まりだすとき、右投げの場合は左ヒジは体側に締め、体はバランスを取り、右ヒジを90度外転・外旋させ、コッキング期をつくる(写真17)。
4) 上体をねじりながら、アクセレレーション期に入り加速。腕と体幹が斜めに屈曲し、左股関節に体重をのせ(写真18)、投球腕は肩の先行が続かないようにヒジが投球方向へ動き出し、レイトスローイングによってフォロースルーを迎える(写真19~21、このような動きは投球時にバネが生まれ、球威が上がることにつながっていきます)。
5) そのためのトレーニングとして、肩甲骨を安定させ、胸の張りをキープし、指とヒジを介助者が支持する。体をねじりながら、肩、ヒジ、指の順に投球方向へ向き、左半身を斜め後方へ引くことにより上半身がねじられ、右体重にあったものが中心を通り、左下肢へ体重をかぶせながらフォロースルーを迎えていく。その動作に対して、介助者の手によってヒジ、指に抵抗をかけていく。この動きの中で大切なのは、ヒジがゼロポジションで先行するように何度もその部分を繰り返し、筋肉と関節を促通させることです。まさに、投球動作に必要な関節角度を決定させ、フォームへつなげていきます。
6) 右体重から左へ移行するコッキング期に入り、体はすこしずつ投球方向に変化、左脚へ体重がかかり始める。体のバランスをとりやすくするのに、左ヒジを屈曲させ体に引き寄せ、左ワキを締めておく(写真24)。