[1]PNFトレーニングの方法 | [2]PNFテクニックパターン | [3]PNFでの抵抗のかけ方 | [4]体幹のPNFトレーニング |
PNFの基本的な概念として、らせん対角上での動きが中枢から末梢への神経伝達を促通しやすいパターンであると考えられており、機能的に必要な運動の組み合わせに基づいて強化を図っていきます。
PNFパターンは、以下の三つの面で構成されています。
1) 矢状面―屈曲と伸展
2) 前額面―四肢の外転と内転および脊柱の側屈
3) 水平面―回旋
いろいろある動きのなかでも回旋は重要であり、このねじれに対して正確な抵抗を与えることは、パターン全体に組まれた筋群を強化しやすいと言われています。回旋しながらの負荷は、ねじれの筋肉の特性(弱い)から考えると十分な配慮が必要になります。回旋への大きな抵抗は運動を制限してしまい、等尺性収縮を起こしにくくするからです。
PNFにおける負荷のかけ方は、可動域全域にわたり負荷をかける等張性(アイソトニック)トレーニングと、静止角度で負荷をかける等尺性(アイソメトリック)トレーニングを主に用います。それぞれ筋収縮のカタチが異なり、実際にPNFを行うときには二つの方法を併せて用いることで、よりトレーニング効果が上がります。
等張性収縮には二つの収縮パターンがあり、中心に近づきながら力を出す動きを求心性(コンセントリック)運動と言い、中心から遠くへ離れていく動きを遠心性(エキセントリック)運動と言います。
遠心性での抵抗運動は抵抗が加わりながら筋肉が伸ばされ(伸展)、力を発揮する運動です。これを伸張性収縮と言います。例えば、重りを持って降ろす時の状態と同じで、求心性運動に比べて筋肉にダメージを与えやすいので、肩関節などの不安定な関節に対して行う場合は十分は配慮が必要です。
PNFトレーニングでは、このような伸張性収縮や伸張反射(筋肉や腱が急に伸ばされたときに、ダメージを受けないように収縮しようとする反射運動)をうまく利用した方法が多くあります。神経の促通性は筋肉が素早く引き伸ばされることで収縮力が高まり、筋力増強を促しやすいからです。PNFを実施する前にトレーニングをする筋肉を軽く伸ばすことは、PNFの効果を高めることになります。
また、弾力性のある筋肉と安定性の高い関節であれば、PNFの効果が得られるいろいろなテクニックパターンを組み立て、実践することができます。