[1]PNFトレーニングの方法 | [2]PNFテクニックパターン | [3]PNFでの抵抗のかけ方 | [4]体幹のPNFトレーニング |
PNFテクニックのパターンは、運動範囲に共同運動(伸展・外転・外旋や屈曲・内転・内旋などのいろいろな動き)を組み合わせて実施します。それはスポーツが一つの筋肉の働きだけではなく、複数の筋肉の共同運動によって行われるからです。共同しあった筋群がタイミングよく働けるように神経を促通させていくことは、動きやすさを高め、パフォーマンス向上にもつながります。
PNFテクニックパターンの主なものを四つ、簡単に紹介しましょう。
1) 両側性対称性パターン
両側が同じ方向に動き、同時に屈曲や伸展などの動きをする。
2) 相反性対称性パターン
上肢および下肢を片方ずつ一つのパターンを行い、それに相反する動きも行う。対角線パターン上で片方ずつ相反した動きを行う。
3) 両側性非対称性パターン
上肢および下肢が同時に片側ずつ屈曲か伸展を行う。
4) 相反性非対称性パターン
両上肢、両下肢のいずれかが二つのパターンを同時に相反的に動く。異なった方向の対角線パターンを同時に起こす。
いくつかあるPNFパターンのなかで、上記のような左右両上肢、両下肢の動きを組み合わせて行うことは、野球の投球や打撃時での回旋軸を作るのに効果的であると考え、私どもでは取り入れています。
また、抵抗のかけ方は次のようなテクニックがあります。
1) コントラクトリラックス
等張性収縮を用いて、体幹、腕、足が動く範囲内では抵抗を与え続ける。あるいは抵抗なしで動かした後に、抵抗をかける。抵抗をかけた後はリラックスさせる。硬くなった筋肉に柔軟性を与え、関節可動域を広げる効果がある。
2) ホールドリラックス
等尺性収縮の後にリラックスを図る。関節可動域の拡大と筋力の増強に効果。関節の運動が生じないように最大の抵抗を5秒間かけた後に、完全リラックスを図る。
3) スローリバーサル
休みを与えず、主働筋と拮抗筋の両方向に抵抗をかける。関節可動域の拡大と筋力の増強、調整力の向上に効果。
4) リズミックスタビリゼーション
関節運動を起こさないで、交互に等尺性収縮を行う。効果は関節可動域の拡大と筋力の増強、関節の安定性とバランス能力の向上。
5) オーバーフロー
強い筋肉を収縮させることで、弱い筋肉の増強を図る。
私どもでは以上のテクニックをうまく使うことで、筋力増強や関節可動域の拡大に大きな効果を得ています。